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劇場
夢から醒めた夢

四季劇場〔秋〕     

四季   

原作
台本
作曲
作詞
振付

赤川次郎   

浅利慶太   

浅利慶太 奈良和江 

三木たかし 宮川彬良  

奈良和江 浅利慶太   

加藤敬二 謝珠栄  

吉沢梨絵、真家瑠美子、花田えりか、苫田亜沙子、南めぐみ、織笠里佳子、飯村和也、有賀光一、   
道口瑞之、野中万寿夫、河原洋一郎、藤原大輔、石井雅登、大塚俊、韓盛治、田中廣臣、維田修二、  
武見龍麿、佐和由梨、菅本烈子、安田千永子、佐藤夏木、北澤裕輔、荒川努、佐野正幸、星野光一、ほか

9月21日まで  

03−5776−6730 日・祝休
  
さあ、一緒に夜の遊園地へ行ってみませんか?

撮影:荒井健  

暑い夏休みもそろそろ終わりに近づいたが、お父さん、お母さん、子供たちに今年は楽しい思い出をつくってあげましたか?まだな親には、いま劇団四季が上演が上演している「夢から醒めた夢」に連れて行ってあげたらいいだろう。

劇場前には3メートルののっぽピエロ、ロビーではタップダンスをするおもちゃの兵隊、ハンドベルの演奏、魔女、妖精たちがウエルカム。いそいそと場内に入れば、もうそこは夜の遊園地、イルミネーションがきらきら輝き、メリーゴーランドが動き、アクロバティックのダンス、その横をゆっくり新体操でやるような鉄の輪の中に入った団員がくるくると動きまわる。

いつ幕があいたのかアレアレと思っているうちに観客は、夜の遊園地のお客さんになっている。さあ、こちらも幕を揚げよう。

             

明るく、くったくがない、冒険心たっぷりな少女・ピコ(吉沢梨枝=私が観た日、他の顔ぶれも同じ)は、ある日、夢の配達人(北澤裕輔)と名乗る歌が上手い男と出会う。

彼に誘われてピコは閉園後の遊園地に入った。普段は真っ暗なはずなのに、なんと掲載している写真のように遊園地は光り輝き、素敵な芸をたっぷり見せてくれた。

そんな時、園内で一人寂しそういしている幽霊の少女マコ(花田えりか)と知り合いになった。マコはピコにせつせつと語る話はこうだ、、。

マコが母(織笠里佳子)と出かけた時、母の目の前で交通事故に遭い命を落としてしまったという。マコは大好きな母親に別れを言えなかったのを苦にしていて霊界にも行けない。娘の事故死から立ち直ることが出来ない母親を「慰め、元気づけてやりたい」と。

これが実現できるのは、現世に戻らねければだめなので「一日だけでいいから自分と入れ替わって欲しい」とマコはピコに哀願したのだ。

義侠心に富むピコは、マコの願いを心よく受け入れ、かわりに自分が霊界に行くことを了承した。

            

霊界空港空港の待合室には、新任の役人・デビル(道口瑞之)、エンジェル(有賀光一)らと“光の国”行きの白いパスポートを持った(ピコもその一人)者、生前罪を犯したり、人を悲しませたものは、グレーのパスポートだ。

いじめを苦にして自殺したメソ(飯村和也)、過労死した部長(田中廣臣)、バイク事故で死んだ暴走族(大塚俊)、喧嘩で刺し殺されたヤクザ(野中万寿夫)らはみんなグレーのパスポート組だ。

ピコは明日“光の国”へ行くロケットを見に妻と再会した老人と出かけたとき、ピコはメソにパスポートを預かってもらったが、メソは出来心から自分のグレーのパスポートとピコの白いパスポートをすり換えてしまった。

そんなことは知らないピコはパスポートを空港役人のデビルに見せると真っ黒なパスポートで、メソが犯した罪が加わり、灰色から黒になってしまっていた。これを見てマコが地獄へ堕ちると思いそのショックでピコは失神してしまった。

どうやら犯人はメソだと周りの者は気がついたが、いったん黒くなったパスポートは白くはならない。さあ困った。どうしよう。メソも悔い、全員がデビルに再発行を嘆願、前例を破ってデビルは白いパスポートを再発行してくれた。

新しいパスポートを持ったピコは、母親と再会したマコのもとへ急いだ。もう“光の国”へ行くロケットの出発時刻は刻々迫っている。果たしてピコは重要な役目を全うできるのか?マコは時間までにロケットへ乗り込めるのか?、、、。

ふとしたことで夜の遊園地で出会ったピコとマコの愛と友情を、吉沢梨絵と花田えりかが熱演しているが、この作品は20年前に初演してから1200回にも及ぶロングランミュージカルだ。

これだけ長く続いた要因は、人と人との思いやりや優しさが、にじみ出て観客の心をとらえているからだ。それに夜の遊園地のカラフルで華やかな舞台も素晴らしく、親子ともども夏の思い出を残してくれる秀作だ。