劇団青年劇場は1967年の旗揚げ公演から今回の「結の風らぷそでぃ」で100回目を迎えた。今回は1990年の「遺産らぷそでぃ」、2000年の「菜の花らぷそでぃ」のらぷそでぃシリーズの三作目だ。有幾農業に取り組む若い女性を通して、現代の食と農業について考えようとする企画だが、堅苦しくなく人情喜劇に仕立てている。
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日本の食料自給率は4割、農業人口の6割は65歳以上の高齢者。今年6月には「農地法改正法」(農地の貸借の自由、農業への新規参入など)が成立、これからの農業はどうなるのか、深刻な問題が起きている、、、。
ここ佐賀県唐津市郊外の農家・米田耕作(78)(中津川衛))の家は耕作地が2町8反歩で、農業を嫌って町の役人になった息子の耕一(島田静仁)は後を継がず、耕作一人で百姓をやっていた。
ところがここの田畑は、15ヶ所の飛び地にある。この効率が悪い田畑を耕作は耕していたが、この頃は年をとり腰痛に悩まされていた。
そんなところへ孫娘の結(27)(秋山亜紀子)が東京から戻って来て後を継ぐと言いだした。その上有幾栽培で作物を育てるという。
その話しに「有幾栽培なんて素人の結には出きゃせんがな!」とおじいちゃんの耕作に止められるが、結は寝食を忘れてこれにのめり込む。だが失敗の連続だ。
近所に住む伯母の村尾節子(上甲まち子)も顔を出し「女の細腕ではやってはいけない、それより女は丈夫な子供を産むことだ、、、」と見合い写真をどっさり持って来て結婚を勧める。
耕作の農地はこの他に2反の土地があり、家から遠いが、耕作が先祖からのこの農地を大事に耕していた。ところがこの村で若い頃は鼻つまみだった蔵大蔵(千賀拓夫)が、農業コーディネーターの名刺を持ち、「この農地を自分に任せてくれないか、、、」と現れた。
大蔵はこの土地を買収して周りの土地と合わせ、広い農地にするのでどうしてもこの土地が欲しかった。だが耕作は「俺の目の黒いうちは手放さない」とけんもほろろだ。
耕作の家は茅葺きで、葺き替えに関口健太郎(杉本光弘)と高所恐怖症の鬼塚元気(星野勇二)がやってきて葺き替えを始めた。関口は結にぞっこんだがなかなか口に出して自分の気持ちを出せないでいる。
そんな彼が、何気なく置いていった農業雑誌を結が見つけ読んでみると内容は、“有機栽培”の指導書だった。これに飛びついた結は、作者の青木一郎(広戸聡)を訪ねた。
青木は有機栽培の指導で、全国を飛び回っている男だが、近くへ来た足で、親切にも結の家に来て、彼女が悩んでいた水田に稗が繁殖し稲が育たないその駆除の方法も伝授してくれた。
ようやく結の“有幾農業”も軌道に乗り出し、赤字続きだった耕作の家もなんとか先が見えるようになった、、、。
そして実りの秋。結と関口健太郎とは、、、。
結役の秋山亜紀子が大地に生きる農業生産者を力強く演じ、腰痛で一人になっても踏みとどまろうする老農夫の耕作役を中津川衛がベテランの味を出している。
カネをだせば何でも手に入る現代だが、これで将来の日本はいいのだろうか?人情喜劇とは言っても、もっと深い問題をドラマとしてとりあげているようだ。

高橋正圀

松波喬介
左から崑野美和子、武智香織、中津川衛、秋山亜紀子
撮影:宮内勝 (C)
9月27日まで
28日 大田区民プラザ大ホール
03-3352-6922
30日 府中の森芸術劇場ふるさとホール
10月1日 かめありリリオホール

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