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解ってたまるか!
自由劇場   

四季   

福田恆存   

浅利慶太    

加藤敬二、山口嘉三、岡田吉弘、牧野公昭、藤川和彦、 
青羽剛、鈴木周、田島康成、川地啓友、勅使瓦武、田代髀G、
岡崎克哉、坂本岳大、田中廣臣、福山廉士、芹沢秀明、中野今日子、ほか

11月23日まで  

京都劇場 12月21日〜1月11日まで 

03-5776-6730  

日・祝休

 加藤敬二 中央

撮影:上原タカシ

JR金谷駅から大井川鉄道(SLも走っている)に乗り、さらに奥まった寸又峡に温泉旅館「ふじみ屋」がある。昭和43年(1968)2月21日に、ライフルとダイナマイトを持った殺人犯が、旅館の家族と宿泊客16人を人質にとって立て籠もったショッキングな事件が起きた。これを「金嬉朗事件」と呼んだ。

事件は88時間後犯人が警官に逮捕され決着がついたが、なぜ、こんな凶悪な事件が起きたのだろうか、世間を震撼させた事件をいち早く福田恆存がこれをベースに書き下ろし、劇団四季がこの年に上演した爆笑喜劇。だがその裏には、、、。

              

東京・虎ノ門にある一流のホテル・ハイクラス10階のスイートルームにライフル魔・村木明男(加藤敬二)が、12人を人質に取り立て籠もった。時間は午前6時。ただちに警視庁は、同ホテルに捜査本部を設け、また報道陣もこのホテルに前線基地を作った。

12人も人質に取られているいるため、捜査本部も自首を呼びかけても実力行使は出来ない。村木は昨夜、トラック運転手ら二人をライフルで射殺、盗んだ高級車で、このホテルに乗り込んだのだ。

村木が射殺した二人は酔っぱらい運転をしていた。彼は酔っぱらい運転は殺人未遂同様という記事を読みこれに共鳴し、犯行に及んだが、犯罪予防の社会的正当防衛であると主張し、木村の正当性を警察が認めれば、人質を直ぐ釈放、武装解除をして潔く死んで謝罪すると主張した。

村木は父親が人を殺したあおりを受け小さい頃からいじめられ、猟師に射撃を教わり射撃の名手になった。ところがオリンピックを目指したものの、その夢は警察の策謀でオリンピックの代表になれなかった。

警察関係で村木が知っているのは絹川巡査部長(藤川和彦)で、絹川とは話し合えるので彼が仲介役になった。警察が記者会見中に彼を射殺しようとしたが失敗、捜査本部長・瀬戸内(山口嘉三)は長期戦に踏み切った。

夜10時ごろ。警察の謝罪も曖昧で、腹の立った村木は、銃を天井に向けドカン。時間はいたずらに過ぎていく。取材に来ている新聞記者には手を出さない。そこでトクダネを狙って明石(青羽剛)と倉持(鈴木周)記者が、文化人4人を連れてきた。

彼らは村木の味方になり弁護をかって出て来たが、見え透いたえせ弁護を論破され、あっけなく“文化人”たちは落城。そんな時、人質の関山(神保幸由)が、隙を狙ってダイナマイトを握って村木以下を殺そうとする。

ところが村木の方が役者は上で、原爆を隠し持っていた。ボタンを押せば爆発し、死の町になると逆の脅され、関山はダイナマイトを捨てた。

突然村木は、スイートルームから人質全員を釈放した。原爆所持の情報を得た捜査本部は、ホテルから半径20キロ以内の住人を避難させ、残りは捜査本部の警官、人質、文化人グループだけが取り残された。

時間は未明になった。村木は首に夏みかんほどの原爆を首にぶる下げている。文化人らは村木に「気持ちは解る、だが、、、」と宣撫工作をするが「俺の気持ちが解ってたまるか!」と遮り、「30分待つからからここから全速力で退去しろ!」と怒鳴った。

蜘蛛の子を散らすようにして誰もいなくなった。村木はホテルの屋上に登り、ぶる下げていた原爆の蓋を開けようとそこへ手がかかった、、、。そこへ朝日がゆっくり昇って来た、、、。

差別され虐げられて育った男が、自分の“死”と引替えに社会の矛盾に挑戦したドラマだが、文化人の行動が口だけで実行力がなく、まるで道化みたいで目を覆う。

山下の村木役は、打って付けで観客を笑いに誘い込みながらも、堂々と権力に立ち向かう犯人の信念を巧みに訴えていた。

原爆をぶる下げ、ライフルを手にする