

黒い服の女
パルコ
パルコ
スーザン・ヒル
スティーヴン・マラトレット
ロビン・ハーフォード
川本Y子
上川隆也、斎藤晴彦
8月31日まで
左 上川隆也 右 斎藤晴彦
撮影:御堂義乗

19年間5000回以上もロンドンで上演され、人気のある恐怖芝居「ウーマン・イン・ブラック」は、これまで日本でも5回公演され好評だったが、いまもロンドンのフォーチュン劇場では続演中だ。
来る9月9日から13日まではこの劇場で、日本版「ウーマン・イン・ブラック」を上川隆也と斎藤晴彦が演じるという。これを観るロンドン子の反応はいかがだろうか、いまから楽しみにしていよう。
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さて、本題にもどって、、、。古くて小さな劇場の舞台。開場していないのでガランとしている。この舞台に中年の弁護士・キップス(斎藤晴彦)、と若い俳優(上川隆也)が現れる。
キップスは若いころ、家族や友人にも一言もしゃべったことがない悪夢を見るような体験をし、それ以来悩み続ける毎日を送り、少しも安らぎを得ることができなかった。
悩み抜いたキップスは、その恐ろしい出来事を、芝居仕立てにして家族に発表、その呪縛から解き放されようと考えたのだ。キップスが書いた長い告白を自分自身がしゃべり、演技をするために本職の俳優を“先生”に迎えた。
本職が弁護士で、セリフも長く芝居なぞしたこともないキップスの要望に応えるために、俳優は“若き日のキップス”を演じ、キップスには“キップスが出会った人びと”をやってもらうという分かりやすい上演の形を設定した。始めは躊躇していたキップスだったが、意を決してこれに挑戦することになった。
若いキップス(俳優)の“体験”は、勤務先の弁護士事務所の顧客・アリス・ドラブロウ夫人の“死”から始まった。
キップスは、北イングランドの田舎で亡くなったドラブロウ夫人の葬儀と遺産相続整理を、弁護士として出向くように命じられロンドンから汽車を乗り継ぎ、夫人の地元の町、クリシン・ギフォードに着いた。
夫人が住んでいた館はこの町から離れ所にあり、ここへ行くには、引き潮の時だけ道が出来、この時間を逃すと通れない辺鄙な場所にあった。キップスが夫人の名前を出すと住人はそろって顔が凍りつき、不自然な態度をとった。
なぜだろう?葬儀に参列したあといよいよキップスは、館に乗り込んで行った。
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キップスは見た!教会でもそうだったが、人がいないはずの館の裏手で、全身真っ黒い服を着た女が突然現れた、、、。過去が再現されていくうちに、いろいろな役を演じる中年のキップスは、若いキップス(俳優)を相手に、過去の告白に没入。彼の記憶と演技が、摩訶不思議な時間が重々しく舞台を支配していった。
恐怖の一夜を過ごしたキップスは翌朝町に戻り、住人で館のことを知っていそうな人びとに「自分が見た黒い服の女は誰か、館にまつわりつく因縁はどんなものかー」と聞き正すが、、、。
だれひとり口を閉ざし、この質問に答えてくれる者はいない。残務整理の仕事が残っているためキップスは勇気を出して再度貸してくれた犬を連れて訪れた。
再び館で迎えた夜。キップは世にも恐ろしい出来事に遭遇する、、、。書いているだけで、“恐怖”が足下から這い上がってきた、、、。
齋籐晴彦、上川隆也のコンビはこれまで二回共演しているだけあって息がピタリと合っていて観客を恐怖体験の時間にぐいぐい引き摺り込んでいく。
それに照明:吉井澄雄、音響:高橋巌の技は抜群。“こわさ”への効果が倍増されていた。
連日暑さでうだっているみなさん!これを観れば暑さなんてどこかへ吹き飛んでしまいますよ。
