
スティーヴン・ソンドハイム
ジェームス・ラパン

03-3477-5858
8月9日まで
撮影:阿部章仁
宮本亜門

PARCO
左 石丸幹二 中央 春風ひとみ 右 戸田恵子
パルコ
点描で描いた「グランド・ジャット島の日曜日の午後」という大作を画期的な手法で描き、ジフテリアに罹り、32歳の若さで他界したジョルジュ・スーラにスポットを当てたミュージカルに2年前劇団四季を退団した石丸幹二がスーラ役に、またその恋人・ドットを戸田恵子が、パルコ劇場に出演している。
難しい歌詞を歌い上げる二人の歌唱力もこのミュージカルの聞きどころの一つで、またレーザービームで投影された色彩の中から「グランジャット島、、、」が現れる手法にも驚かされる。
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1884年(明治17年)のパリ。セーヌ河の中州にある公園で、若い画家がモデルを立たせて熱心にデッサンをしていた。彼の名前はジョルジュ・スーラ(ジョージ)(石丸幹二)、モデルの女性は恋人のドット(戸田恵子)だ。
ドットは恋人のジョージが心の中まで、ぐっと迫ってきてもらいたいのに、ジョージの頭の中は“絵”のことでいっぱい。そこが彼女にとって物足りなかった。
後に「グランド・ジャット島の日曜日の午後」が完成するが、この絵の中に描かれた人物が、次々と舞台に登場する。最近の目まぐるしく変わっていくパリについて嘆く老婦人(諏訪マリー)とそれに同調する看護婦(花山佳子)。
釣りを楽しむ店員(冨平安希子、鈴木蘭々)に、声を掛ける兵隊(岸祐二、石井一彰)たち。そこへやって来たジョージの友人で画家のジュール(山路和弘)〈二人の絵画に対する思考は違うが、、、〉、妻・イヴォンヌ(春風ひとみ)は傘をさし、娘を連れて。
公園の芝生にはジュールの御者・フランツ(畠中洋)と女房のフリーダ(堂ノ脇恭子)、世の中を斜めに見るボート屋(野仲イサオ)、はるばるアメリカからやって来た観光客の夫婦(岡田誠、南智子)らにそれぞれの人生がある。
水辺に集まって来た金持ちから労働者、あらゆる階級の人たち、それに犬までパリに暮らしている人間を一つのキャンバスに描きこもうとジョージは熱中して、恋人への優しい扱いはすっ飛んでいた。
やがてトッドは、ジョージを待ち続けるのにくたびれて、ジョージとの子どもを身ごみりながらも、トッドを愛してくれるパン屋のルイ(中西勝之)のところへ嫁いで行ってしまった。
だがジョージは、トッドに去られても意に介さずひたすらキャンバスに絵筆を走らすのだった。
それから110年の歳月が流れた1994年、美術館のギャラリーに「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の大作が掛かっている。
この部屋で曾祖父のジョルジュ・スーラのひ孫にあたる発明家で、彫刻家でもあるジョージ(石丸幹二)が車椅子に乗った祖母のマリー(戸田恵子)と昔のスーラの話をしているとジョージが制作した「グランド・ジャット島の日曜日の午後」がレーザービームで照射される。
ギャラリーでは、パーティーが始り、作曲家のネイオミ(春風ひとみ)、美術館館長・ボブ(山路和弘)、パトロン・ハリエット(花山佳子)、美術評論家・ブレアー(諏訪マリー)ら多数が、話に花を咲かせていたが、ジョージは自分の進路に迷いながらも曾祖父が苦手だった社交の世界を手際よくこなしていった。
翌月ジョージはグランド・ジャット島を訪れた。かつての素敵な水辺の公園はなく、周りはぐるっと高層ビルに取り囲まれていた。わずかに昔の面影をとどめていたのは老夫人がよく座って憩っていた大木だけだった。
ジョージは昔トッドが持ち、祖母のマリーに引き継がれた赤い本を手にしていると突然トッドが現れた、、、。
宮本亜門、石丸幹二、戸田恵子の顔合わせのこのミュージカル。一人の偉大で若くして亡くなったスーラの人生と共に、絵に描かれた人たちの生き方が、観客のこれからの人生の指標になるかも知れない、、、。