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劇場
詩人の恋  

サザンシアター  

加藤健一事務所  

ジョン・マラス     

小田島恒志  

訳詞

岩谷時子      

久世龍之介    

加藤健一、畠中洋

10月23日〜26日まで

03-3557-0789 

左 加藤健一 右 畠中洋 

撮影:石川純  

1986年場所はウイーンのマシュカン教授(加藤健一)の部屋。彼はウイスキーを飲みながらピアノを弾いている。へたくそで間違いながら鍵盤を叩いている。マシュカンは声楽家としても盛りを過ぎたヴォイストレーナーだ。

              

ある日この部屋に、はるばるカルフォルニアからピアニストのスティーブン(畠中洋)がやって来た。彼はかつて天童とも言われたピアノの名手だったが、壁に突き当たりピアノが弾けなくなってしまった。

そこで彼はクラッシックの伴奏者へ転向を考え、そのためのレッスンを受けにきたのだが、なぜか担当するシラー教授はいず、マシュカンを紹介された。

早速マシュカンはレッスンに取り掛かったが、ピアノのレッスンではなく、なんとシューマンのドイツ歌曲「詩人の恋」を全編を歌いこなすように命じた。

ピアニストがなぜ歌わなければならないのか!マシュカンに食って掛かったが、その言動には堂ぜず、歌のレッスンを始めた。

歌は素人のスティーブンだから上手く歌えるわけわない。いやいやながら歌い出したが、スティーブンは、頑固なマシュカンに憎しみさえ覚えた。

頼みのシラー教授は、3ヶ月もウイーンを離れているので、がまんをしながら年齢も国籍も違うマシュカンに、スティーブンは付いていった。

そしてスティーブンはミュンヘン近郊のダッハウ強制収容所を訪れる。彼はじつはユダヤ人で今までそれを隠してきたのだった。

ダッフウでの体験からウイーンへ帰るとマシュカンに自分の物をさらけ出し、熱心に「詩人の恋い」のレッスンに励んだ。またマシュカンにも暗い過去があって、腕をめくりスティーブンに見せたものは腕に入れ墨が入っていた、、、。

マシュカンは挫折したピアニストを立ち直らせよう、またスティーブンは、立ち直ろうと数ヶ月のレッスンの間にいつしか二人の間には友情すら芽生え、「詩人の恋い」をドイツ語で流ちょうに歌えるようになった、、、。そして。

この作品は今回で200回を越す。この間数々の演劇賞を受賞した。二人のやりとりの中でじわじわと氷が溶けていくように心のわだかまりの解放を見せる演技は、このドラマの大きな見所だろう。

見終わって心の安らぎを感じた素晴らしい作品だ。

加藤健一事務所では公演中に、目の不自由の人たちに、公演前に来て貰い出演者が、じかにドラマを丁寧に説明、芝居を楽しんでもらうやり方を10年前から続けている。私が観た日は本多劇場公演だったが、盲導犬を連れた観客が来ていた。芝居もハートフルだが、ここの劇団の優しさにも拍手を贈りたい。詳細は劇団まで。
                      
                    

11月1日 湘南台文化センター、12月1日
三芳長町文化会館「コビスみよし」(自主公演)

この他12月17日まで四国、関西、中部、北陸、長野、栃木、埼玉県などでも上演する。

盲動犬もご主人と一緒に「詩人の恋い」を観劇。
終演後、感想を聞いたら「良かったワン!」。本当かな?