孝太郎、松緑、彦三郎、友右衛門、
亀寿、亀蔵、梅枝、萬太郎、ほか
03-3265-7411
23、26日 アフタートークあり


大名に殺された魚屋の宗五郎が、禁酒を破って酒を飲み屋敷に乗り込んでいくお馴染みの「魚屋宗五郎」の物語は良く上演されるので知られているが、今月の演目には「お蔦殺しと魚屋宗五郎」と副題が付いている。
通し狂言として20年ぶりに事件の発端からなぜ殺されたかを分かり易く演じ、後半の宗五郎につなげていくので初めて観る客にも充分納得できる。また孝太郎が、お蔦とおはまの二役を、松緑も初役で宗五郎を熱演している。
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芝の魚屋の娘・お蔦(孝太郎)は美女。愛宕下の旗本・磯部主計之介(友右衛門)に見初められ、主計之介の側室として屋敷勤めをしていた。
ある晩、庭にある弁天堂でがさごそ動きまわる不審な男がいる。彼はこの家の重役・岩上典蔵(亀蔵)で、兄とともに家老の浦戸十左衛門(彦三郎)、紋三郎(亀寿)を失脚させ磯部家の実権を握ろうと企んでいた。
そのうえ典蔵は主計之介の愛妾・お蔦に惚れ込み、お蔦が預かっている磯部家の家宝・井戸の茶碗(朝鮮から渡ってきた名器)を盗みだし、じゃれついてきた猫に気をとられ、大事な茶碗を割ってしまい、これを弁天堂の縁の下に隠してしまった。
いなくなった愛猫をさがしに来たお蔦に、典蔵は力づくで迫るがもちろん色よい返事はNO。脇腹を突かれたお蔦は気を失ってしまった。
悲鳴を聞いて駆けつけた紋三郎に典蔵に襲われたことを告げると忍びよった典蔵は「不義者を見つけた」と大声を出したので、お蔦はその場から立ち去ろうとしたが、帯を奪われてしまった。その様子を十左衛門が見ていた、、、。
お蔦と紋三郎のでっちあげの“不義”はまたたくまに広がった。自分の部屋に戻ってきたお蔦を召し使いのおなぎ(梅枝)が心配そうに迎える。帯を奪われたお蔦は、絶体絶命。そこへ主計之介からの急なお召しが、、、。
酒乱で短気な主計之介は、お蔦が不義を働いたと岩上兄弟の謀略にまんまとひっかかり、可愛さあまって憎さ百倍、良く話も聞かずお蔦を井戸に斬り落としてしまった。
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芝の魚屋宗五郎(松緑)の家、周りはお祭りでにぎやかなのに宗五郎の家はお蔦のお通夜で沈んでいる。燈明のまわりには、父親の太兵衛(橘三郎)、女房のおはま(孝太郎)、小奴の三吉(亀寿)が気落ちして控えているがお蔦の死因にどうしても納得できない。
寺へ戒名をもらいに行って帰ってきた宗五郎は、家中の者がいきりたっているのを押さえ、お蔦が磯部家へ奉公するにあたって200両の金をくれ、借金も全部清算できたと言う。お蔦が不義をしたのだろうと押しとどめていたが、、、。
そこへおなぎが上等の酒を持参弔問にきた。酒乱のくせがある宗五郎は、禁酒をしていたが父親に酒を勧められ、おなぎの持ってきた酒を湯呑みでいっぱいやったのまずかった。
一杯の酒ではすまずついに角樽に酒をぜんぶ飲み干してしまった。ぐでんぐでんに酔っぱらった宗五郎は、主計之介の手討ちにがまんならず、磯部の屋敷にあばれこんだ。
騒ぎを聞きつけ典蔵は宗五郎を縄で縛り上げたが、十左衛門のはからいで縄を解かれものの庭先で宗五郎は寝込んででしまった。
やがて主計之介が出てきてお蔦の無実を知り宗五郎、おはまに手を付いて詫び、菩提の金や父親への扶持も約束し、典蔵は必ず成敗すると誓うのだった、、、。
孝太郎、松緑のフレッシュコンビが初役で、世話物に挑戦しているが、いつのまにか大きな役を演じ、期待に応えられるようになった。次回はどんな演目にいどむのだろう。楽しみに待っていよう。
尾上菊五郎
国立劇場
3月27日まで

河竹黙阿弥