鈴木聡


東京・月島は、“もんじゃ焼き”で全国区になっていまでは、「もんじゃストリート」まで出来、終日もんじゃ目当ての客で賑わっている。もんじゃ焼きは、お好み焼きの兄弟分だが戦後ここで子供たちのおやつとして誕生した。
だから東京の人でも「そんなの子供の頃に食べたことはないよ」と言う年輩者いるだろう。月島はこの前の戦争でも空襲に遭わなかったから、戦前の東京の家並みも残っている。一度はここを散策してみては、、、。
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もんじゃ焼き屋の娘をヒロインにした元気が出て来るコメディ「斎藤幸子」(作:鈴木聡、演出:河原雅彦)をルテアトル銀座(パルコ・プロデュース)で上演している。
斎藤幸子(斉藤由貴)は、月島でもんじゃ焼屋「さいとう」を経営している洋介(きたろう)の次女で、べっぴんで元気が売りの高校生。姉の悦子(広中麻紀)は、しっかりものの美術家。
幸子の隣ももんじゃ屋の「富ちゃん」。富山和夫(松村武)と息子の健一郎(小林健一)が営んでいて、洋介が若くして妻を亡くしたから、影日向なくバックアップしている。ときにはそれがオーバーになることもあるが、、、。
ある日幸子の同級生、坂本卓也(中山祐一朗)がやってくる。彼は最近杉並から引っ越してばかりで、幸子に一目ぼれし、しょっちゅうやって来る。
それに輪を掛けたように来るのが近所に住むソープ嬢の美奈子(明星真由美)。彼女はタロット占いから姓名判断までプロみたいな腕前だ。幸子は彼女を“師匠”とあがめている。
美奈子の占いによると「斉藤幸子」の画数は思わしくなく、波乱万丈の人生を歩むと出ている。そんな美奈子からもらった毒ガエルに幸子は噛まれて卒倒してしまう。
さあー、「毒ガエル事件」から幸子は、歌の文句じゃないけれど「喜びも悲しみも、いく年月、、、」いろいろな体験をすることになった。
幸子の同級生坂本の他に、年中病気かクセかは不明だが、首を振り続け、幸子に熱を上げている田中由起夫(鬼頭眞也)とふとしたことから初体験をし、連日プールでナンパされその場限りのセックスをするが、なぜか心は満たされない。
そんなある日、高校の担任で音楽の教師の澤渡桂一(粟根まこと)が現れ「人生は恋」、「幸せとは僕といることだ!」と言い寄られ、のぼせた幸子は駆け落ちを決意した。
これを阻止しようとした教頭の村木しげる(伊藤正之)や近所の忠告を振り切り、大阪へ二人は新しい人生を求めてヨーイドン。
ところが人生満帆とはいかない。大阪で澤渡は女子生と年ごろになり、幸子も幸子、北新地でホステスをし、別の男と親しくなったりで美奈子のタロット占い通り、半年も経たないうちに二人はグッドバイ。
7年後の夏、アブラゼミが鳴く暑い日、ひょっこり一人で月島に幸子が帰ってきた。格好悪い幸子は、“別れた”とは洋介や姉の悦子には言えず、この時だけ仮面夫婦を装って後から澤渡ものこのこ現れた。
そこへ幸子が大阪で知り合った裕福そうな中年の山崎正光(柳家喬太郎)がやって来ておいしい話を洋介に切り出すのだが、、、。はたしてこの結末は、、、。
テンポと歯切れが良いコメディで、下町の人情もたっぷり。たっぷり楽しんでもらえよう。
撮影:御堂義乗
河原雅彦
8月30日まで
ル テアトル銀座
パルコ・プロデュース
左から中山祐一朗、明星真由美、斉藤由貴、きたろう

斉藤由貴、きたろう、粟根まこと、千葉雅子、明星真由美、中山祐一朗、
松村武、弘中麻紀、小林健一、鬼頭眞也、伊藤正之、柳家喬太郎