



松竹
「嘉島まつり」
6月25日まで
嘉島典俊、甲斐京子、曽我廼家寛太郎、桐山浩一、菊池敏昭、太賀たけし、ほか
構成・演出・振付 邑瀬未千子

0120-039-354
「嘉島まつり」は、かつて6歳で大衆演劇に登場、丸顔で「チビ玉」と呼ばれた人気者ががいたのをご存じだろう。その後舞台やテレビで活躍、名前もいまは嘉島典俊として昨年NHKの大河ドラマ「風林火山」にも出演している。
今回は元SKDの男役のトップスターだった甲斐京子が共演している。幕開きは美空ひばりの「お祭りマンボ」の曲に合わせ、ういういしい神田の女から「関東春雨傘」は娘伊達、「恋女房」「「涙そうそう」と早替わりで登場。
それからは一転。新国劇で馴染みの「殺陣田村2008」では男になってすばやい太刀さばきを見せ、あっと驚かす。フィナーレは「人生一路」。甲斐京子や曽我廼家寛太郎ら大勢で、締めくくる。
大衆演劇出身だけにいかに客に楽しんでもらえるかが、芸の見せどころで、観ているうちに心が浮き浮きしてくる。共演の甲斐京子や藤山寛美に薫陶を受けた曽我廼家寛太郎らの出演も「まつり」を盛り立てている。
「狐狸狐狸ばなし」
作・北條秀司 演出・成瀬芳一
山本陽子、松村雄基、寺杣昌紀、嘉島典俊、甲斐京子、曽我廼家寛太郎、中山仁、ほか
江戸時代の末、吉原遊郭の外れに伊之助(松村雄基)という上方で小芝居の女方をやっていた男が、手拭い屋を営んでいた。
伊之助には千住の廓あがりの女房・おきわ(山本陽子)がいた。おきわを身請けした伊之助は自ら炊事、洗濯、掃除までおきわのためにやるので申し分ないようにみえるが、夜になると毎夜おきわの肉体を執拗に求めるので、いまでは身体を触られると鳥肌が出るようになった。
おきわは昼日中から亭主そっちのけで茶碗酒だ。あげくに伊之助の浦にある焔魔堂の生臭坊主、重善(寺杣昌紀)としょっちゅう不義密通で近所の評判も悪い。
伊之助はそんなことは百も承知だが、おきわの身体欲しさに、昼酒や重善との密通には目をつむっていた。
そんな折り、おきわが惚れている重善を追い回している千住の金持ちの娘・おそめ(嘉島典俊)がやって来る。三度も婿さんに逃げられた女で相手の男を牛みたいにべろべろなめる癖があって世間では“牛娘”と陰口をたたかれている。
重善は自寺を博打場にして寺銭を稼ぎ、牛娘と一緒になって後生法楽を決め込もうと色と欲の二道を考えるひどい坊主だ。
おきわは重善に女房にしてくれと頼み込むと「そんなに俺の女房になりたかったら亭主を殺してこい」とプレッシャーをおきわに掛けた。
翌日そんなことは知らない伊之助は、おきわにフグ鍋を食べさそうと鍋を作ったが、おきわは染め物に必要な薬を鍋の中にまぜこれを伊之助に食べさせた。
この薬は毒薬で、フグを食べた伊之助は、苦しみながら死んでしまった。伊之助の遺体を伊之助の雇人又市(曽我廼家寛太郎)と寺男の甚平(中山仁)に運ばせ、おきわは重善との約束をはたし、晴れて夫婦になれると思いきやお天道様は節穴ではない。さてこの後は、、、。
北條秀司の傑作喜劇を山本陽子と松村雄基でたっぷり笑える芝居になっている。貴方もこれを観て梅雨空を吹き飛ばしてみませんか、、、。