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作
遠山桜天保日記

―通し狂言―

国立劇場   

竹柴其水   

監修

尾上菊五郎  

菊五郎、田之助、左團次、松緑、菊之助、 
團蔵、権十郎、萬次郎、亀蔵、亀三郎、ほか

12月26日まで   

03-3265-7411(代)

江戸時代の名奉行とくれば大岡越前守忠相と遠山左衛門尉景元(金四郎)がすぐ思い出される。金四郎が肩肌脱いで桜吹雪の彫りものを悪人に見せ、ぎゃふんと言わせるせる物語は、これまで映画やテレビでお馴染みだが、歌舞伎では遠山金四郎を主人公とした芝居は今回50年ぶりに国立劇場で上演されている。

              

ここは江戸・木挽町(いまの歌舞伎座がある地域)河原崎座の楽屋。笛方・新三郎(團蔵)と鳴物師・太文治(萬次郎)が演奏の食い違いで喧嘩を始めた。

唄方の吉村金四郎こと遠山金四郎が仲裁に入り無事に収まって一息ついたところへ、遠山家の用人・簑浦甚兵衛が来て明日の登城を命じる奉書を届けた。金四郎は老中の推挙で、町奉行になるらしい。

場面は変わって隅田川三囲堤。刀店、尾花屋の若旦那・小三郎(菊之助)に手代・辰吉(萬太郎)を連れて得意回りにきたが、先に手代に行かせた後清元の師匠・おわか(時蔵)が駆けつけた。

小三郎とおわかは離れられない仲だったが、おわかの養父で侠客、須之崎の政五郎(左團次)から小三郎の親の頼みで別れ話出ていた。政五郎には別れると嘘をついた二人は、隅田川に身を投げ心中してしまった。

辰吉が戻って小三郎を探していると坊主上がりの佐島天学(松緑)が現れ、辰吉の売り上げ金を奪い吉原へ行こうとすると天学を呼び止めたのが関八州を荒らす短筒強盗の生田角太夫(菊五郎)。

角太夫は一発短筒を放ち、天学を気絶させ辰吉から巻き上げた金を、今度は角太夫が奪いとり天学のそばに短筒を置いて罪を天学になすりつけた。彼は無実だと叫んだが短筒を証拠に召し捕られてしまった。

成田山内護摩木山。山中で野宿をしていた小三郎は夢をみていたが夜回りに起こされた。彼は心中したものの生き残り、いまは落ちぶれて祐天小僧小吉というならず者に成り下がっていた。

そこへ現れたのが生田角太夫と佐島天学。ここで角田太夫は牢破りをした天学と心中くずれの小吉を誘い込み、佐渡金山の御用金を奪い取る計画が成立した。

また夜回りに来ていた政五郎や小吉都心中したはずのおわかが迷い込み、闇の中でさぐり合いになる。

またまた場面は移って浅草花川戸にある政五郎の家。以前はおわかの稽古場だった。政五郎は江戸でも忙しくなったので、房州の本宅の他に花川戸に一軒持ったのだ。

子分たちが荷物の整理をしているところへ小吉が現れ、政五郎が成田で落とした煙草入れを突きつけ、与三郎みたいに強請りに来た。

政五郎は小吉に意見し金を渡しながら両親を安心させろ言い、一人になったとき按摩が通ったので、揉み治療を頼んだ。その按摩は雷庵(菊五郎)と言い何かいわくがありそうだ。

さあこれからは一山、二山めまぐるしく情況が変わり、御用金強奪にそれぞれが新潟まで足を運ぶ。だが北町奉行が悪人らを放っておくわけがない。

悪人たちは次々捕縛され北町奉行所白州へ。遠山の金四郎は、しらを切る天学に桜吹雪をみせ有無を言わせなくし、小三郎にはおわかと所帯を持って地道に暮らすようにと諭していく、、、。

菊五郎は之まで復活狂言に力を入れて来た。今回も暫く途絶えていた「遠山も金さん」を、彼の監修で上演している。役柄もも遠山の金四郎をやりはたまた、極悪人の生田角太夫と“善”“悪”極端に違う役に全力投球をしている。

この頃同じ狂言が、短い期間によく上演されている。先日劇場のロビーで歌舞伎が好きな中年女性がしゃべっていたのをなにげなく聞いていたら「ついこの前やった出し物じゃない。興味ないわ、、、。またやるの?、、、」。

歌舞伎フアンを大事するのに一つの手段として、菊五郎が寝ていた狂言に新たな息吹を吹き込み、歌舞伎のレパートリーを広げる意欲は頼もしく感じられる。また若い役者もどんどんチャレンジして新作や古典の復活に努力して欲しい。