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劇場
怪談牡丹灯籠
あうるすぽっと    

花組芝居    

原作

三遊亭円朝   

脚本

加納幸和   

加納幸和、水下きよし、原川浩明、溝口健二、  
山下禎啓、桂憲一、八代進一、大井靖彦、 
北沢洋、各務立基、小林大介、ほか  

9月15日まで   

03−3709−9430  

9月20・21日 新神戸オリエンタル劇場 10月9〜11日 道新ホール

劇団花組芝居は、作家、演出、俳優を兼ねた加納幸和を中心新しい歌舞伎を目指し昭和62年に旗揚げした。江戸時代には,歌舞伎は“現代劇”として庶民に親しまれてきたが、明治以降になると難解で堅苦しく、若者にはなじみが薄くなって来た。

花組はこれを打破して誰にでも楽しめる歌舞伎をめざしている劇団で、座員はみな男優で構成されている。今回は三遊亭円朝の名作「怪談牡丹灯籠」を加納が脚色・演出をし、この劇団が力を入れている分かり易く、楽しい舞台になっている。

              

牡丹灯籠に浮かぶ二人の女、カラコン、カラコンと駒下駄の音、今夜も恋人に逢いに向かう、、、。じつはこの二人は幽霊。幽霊は足がなく音はしないはずだが、、、。夏の夜に怖い幽霊の話を聞いてぞっとしたことはありませんか?

物語はたんなる“怪談話”ではなく、その背景には人間同士の愛憎、物欲、仇討が複雑に絡んでいた、、、。

              

時代は徳川吉宗が治めていた寛保三年、飯島平左衛門(水木きよし)という若侍が刀を求めに行ったが、酔っぱらった浪人・黒川孝蔵(北沢洋)に絡まれ、彼を斬り捨ててしまう。物語はここから始まる。

それから十八年の歳月が流れた。平左衛門は亡き妻との間に生まれた一人娘・お露(大井靖彦)と女中のお米(磯村智彦)を柳島の別邸に住まわせていた。

別邸に出入りする医者・山本志丈(谷山知宏)が、美男子の浪人・萩原新三郎(美斉津恵友)を、梅の名所のこの地に梅見に連れてきた。二人は逢うやいなやお互いに人目惚れをしてしまった。

新三郎はお露に逢いたくて食事も喉を通らなくなってしまった。そこへ志丈が来て、お露は新三郎に焦がれ死にをし、お米もその後を追ったと聞かされた。

ところがそうではなくお露とお米が、新三郎の家に現れ、やれ嬉やと結婚する事を新三郎は約束する。これを覗き見たのが新三郎に孫店を借りている小悪党の伴蔵(小林大介)。なんと二人の女の腰から下が見えないではないか、、、。

人相見の勇斎(山下禎啓)が連れてきた良石和尚(溝口健二)は、死霊避けのお札を家の回りに張らせ「海音如来」を新三郎に与えた。

このためお露は新三郎の家に入れない。伴蔵にお札を剥がしてくれと頼んだが、伴蔵の女房・お峰(加納幸和)は似たもの夫婦で「お札を剥がして貰いたかったら百両持って来させろ」と亭主をけしかけた。

新三郎の隙をみて伴蔵夫婦は海音如来を盗み、お米が調達してきた百両を手に入れた。お露は愛しい新三郎に抱かれた。朝になり様子を伺いにきた伴蔵・お峰が見たものは、なんと骸骨に抱きつかれて事切れている新三郎の哀れな姿だった。

             

一方、飯島平左衛門の屋敷。平左衛門は新しく草履取りの若者・孝助(丸川敬之)を雇って話をしているうちに、彼はかつて斬り捨てた黒川孝蔵の息子だった。

孝助は「親の仇を討ちたいので剣術を教えてほしい」と言われ、自分がその仇だとは言わず「仇が分かったら助太刀をしてやる」と約束をした。

平左衛門には妻が亡くなったあと妾のお国(八代進一)がいたが、これが悪女で、隣家の宮野辺源次郎(各務立基)と不義密通の仲だった。

ある晩、孝助はお国と源次郎のひそひそ話を聞いた。それは釣り好きな平左衛門を釣りに誘い出し、川に落として殺し、飯島家を乗っ取ろうという恐ろしい謀議だった。

主人に忠実な孝助は、二人を槍で突き殺し、自分も腹を切ろうと覚悟して槍で突いた男は、源次郎ではなく変装した平左衛門だった。

彼は「仇討の相手は私だ」と言い、討たれる前にやることがあると言い、その場から孝助を立ち去らせ、源次郎とお国を成敗しようとしたが、返り討ちに遭ってしまう。この時源次郎は脚に平左衛門の槍を受け、この傷がもとで後でひどい目に遭う、、、。

これを知った孝助は江戸を出奔した源次郎とお国を追って、平左衛門の仇討に旅立ち、一方の伴蔵とお峰は、これまた江戸を立って栗橋へ、、、。

その後の二組はどうなったか、この円朝の名作はまだまだ続く。

普通歌舞伎の場面転換にはボンを回したり、幕を降ろして狂言の進行をさせているが、花組の牡丹灯籠を観ているとこれに代わって、衝立をアレンジ、人物を出したり、引っ込めたり、衝立に別な絵を張り替えたりとあっという間に別なシーンを登場させるなど、観客を飽きさせることはない。

また舞台に出て来る動物は歌舞伎と違って、まるでディズニーランドにいる縫いぐるみたいな動物も続々出演、この縫いぐるみから俳優が顔を出し、セリフを言う奇抜な演出も若いフアンを引きつけている。

伝統のある江戸時代から続く伝統的な歌舞伎もいいが、花組の「ネオ・歌舞伎」も面白いですよ。