目次
出演
問い合わせ
劇場
     團菊祭
五月大歌舞伎

歌舞伎座  

菊五郎、團十郎、籐十郎、富十郎、
左團次、彦三郎、東蔵、三津五郎、魁春、  
時蔵、梅玉、田之助、松緑、海老蔵、ほか

5月26日まで  

03-3541-3131(代)  

賑わう團菊祭五月大歌舞伎     

今月の歌舞伎座は「團菊祭」。昼の部で海老蔵が初めて「渡海屋」で銀平を「大物浦」では、知盛を演じ、夜の部では、通し狂言の馴染み深い「白波五人男」を上演している。

              

昼の部

一、「義経千本桜」―渡海屋・大物浦―

源平の戦であれだけ勲功があった義経だったが、兄の頼朝にうとまれ、いまは追われる立場になっていた。良く知っている西国へ落ち延びようと義経(友右衛門)一行は、大物浦(現・兵庫県尼崎市)から船で出ようと大物浦の船問屋・渡海屋で風待ちをしていた。

そこへ義経の追っ手と名乗る相模五郎(権十郎)と入江丹蔵(市蔵)が来て「船を出せ」とここの女房お柳(魁春)に難題を吹っかける。そこへ主人の銀平(海老蔵)が帰って来てなんなくこの二人をとっちめる。

実は銀平は平知盛で、二人をだしに使って義経の味方と装ったのだ。天気も納まって来たので銀平は、義経や弁慶(團蔵)らを船に乗せた。

銀平は知盛の霊が、恨みを晴らそうと戦を仕掛けたように見せかけ、海上で襲う作戦だったが、義経はその魂胆をすでに見破っていたのだ。

渡海屋の娘は安徳帝、お柳は乳人の典侍の局、店で働く女たちは女官だった。義経に逆襲され平家方は大敗北。もうこれまでとおつきの者は次々と入水、典侍の局は安徳帝に「水の底にも都がある」と帝と海へ向かうが義経の家来に助けられる。

義経が帝の命は守ると言うと局は安心して自害して果てる。一方、知盛は血だらけの鎧姿で、義経に立ち向かうが、とても無理なことを悟り、碇の綱を身体に巻き付け、碇とともに海中に没していった。

海老蔵が初めて演じる「碇知盛」は、豪快で声も良く通り、ダイナミックな知盛だ。

二、「喜撰」

東京では三津五郎が襲名以来7年ぶりに喜撰法師を踊る。重厚な「千本桜」の後、ほっとする舞踊劇だ。

桜が満開の京の都、その東山へ上機嫌の喜撰法師(三津五郎)がやって来て、茶汲み女のお梶(時蔵)を口説きにかかったが、お梶にあっさりふられてしまった。

そこへ迎えにきた弟子(秀調、松江、高麗蔵)たちと賑やかに踊り、そろって自分の庵へ帰っていった。

初演は天保2年で三津五郎の家の芸。三津五郎の明るく楽しい踊りに溶け込みたい。

三、「極付 幡随長兵平衛」

團十郎と菊五郎が火花を散らす。團菊祭にふさわしい演目だ。

太平の江戸時代でも侍と町人との確執は根強く残っていた。特に町奴の台頭は著しく、家康以来の旗本奴らはこれを苦々しく思っていた。そんな背景があった事を覚えていてもらいたい。

芝居小屋で「公平法問諍」を上演中に旗本奴のリーダー格の水野十郎左衛門(菊五郎)の中間が、花道に出て来て芝居を妨害、手がつけないようになっていた時、この芝居を観に来ていた町奴の親分・幡随院長兵衛(團十郎)が止めに入った。

騒ぎは収まったが、このいきさつをじっと二階席から見守る男がいた。この男が水野十郎左衛門で、事は風雲急を告げてきた。これまで町奴と旗本奴を犬猿の仲で、何回も小競り合いが続いて来ていたのだ。

満座の中で家来がこけにされた白柄組の頭領・水野は立ち去る姿に「いまに見ておれ、、、」の男の意地がみなぎっていた。水野の姿を見た長兵衛の子分らはいきりたつが、、、。

それから暫く経って水野から長兵衛へ酒宴に水野邸に来るように誘われた。長兵衛はこれは“死”への招待だとは知りながらこれに応じた。

女房のお時(藤十郎)や息子の長松(玉太郎)に別れを告げ、弟分の唐犬権兵衛(梅玉)、出尻清兵衛(三津五郎)や子分たちあ止めるのも聞かず、水野の屋敷に向かった。

一方、水野邸には十郎左衛門や近藤登之助(彦三郎)が出迎え、仲直りの酒宴を開こうとしたが、その前に水野は汗を流しに一風呂浴びて来るよう長兵衛に勧めた。

風呂場で裸になった長兵衛に、十郎左衛門は長槍をぴたりと付けた、、、。

九代目團十郎が初演した名作で、團菊祭にふさわしい演目だ。

夜の部

一、「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)―白浪五人男―」 通し狂言

弁天小僧が浜松屋で、男と見破られ肩肌脱いで「知らざあ言って聞かせやしょう、、、」とたんかを切る場面でお馴染みだが、なぜ五人も世の中を驚かす泥棒が集まったんだろう?

事の発端から成り行きは、あまり知られていない。今回はたまにしか上演されない序幕の「初瀬寺花見の場」から幕が開き、物語の流れが良く分かるので、歌舞伎フアンには必見だろう。

信田(しだ)家にお家騒動が起こり家は没落、稚児あがりの弁天小僧は若殿小太郎を殺し、当人になりすました。

小山家の息女・千寿姫(梅枝)が柵(田之助)や薩島典蔵(團蔵)を連れて初瀬寺へ参詣にやって来た。そこへ死んだはずの許嫁・小太郎が現れ、姫はやれうれしやと身を任せ、上の重宝「千鳥の香合」を、小太郎に預けた。

ところが小太郎は偽者で弁天小僧(菊五郎)という盗賊だった。供の奴は兄貴分の南郷力丸(左團次)。さらに彼らの前に現れたのが大盗賊・日本駄右衛門(團十郎)。香合を取り合うなか駄右衛門の勧めで弁天小僧と南郷力丸は、駄右衛門の一味に加わることになった。

これでまだ終わらない。信田家の旧臣・赤星十三郎(時蔵)が主人の金策に困っていると、家来筋の忠信利平(三津五郎)が盗み出した回向料百両をもらい、盗賊となって旧主のために働きたいと駄右衛門に申し入れ、駄右衛門、弁天小僧、南郷力丸、赤星十三郎、忠信利平の盗賊が揃った。

ところは鎌倉の呉服商・浜松屋(幕府に睨まれるとまずいので、江戸を避けて鎌倉にしている)へ武家の娘と供侍がやって来て婚礼のための呉服を買いに来た。

ところが番頭に「娘が万引きした」と疑われ、眉間をソロバンで叩かれ怪我をしてしまった。これに怒った供侍(実は南郷力丸)は店の者を斬ると言いだした。

浜松屋の主人、幸兵衛(東蔵)、息子・宗之助(海老蔵)が無礼を詫び、百両の金をだして示談にしようとした。ほくそ笑む二人だったが、そうは問屋がおろさない。

奥から玉島逸当という侍が出て来て金を渡すのを押さえ、振り袖姿の娘は男だとばらしてしまい。二十両をもらって二人は店を立ち退いていった。

これで一件落着かとおもうがちょっと待ってもらいたい。弁天を女と見破った玉島逸当という侍は、日本駄右衛門で、ここの財産をそっくり盗んでいく作戦で、前哨戦で弁天と力丸に芝居を打たせたのだ、、、。

五人男はあらためて浜松屋に押し入った。ここで分かったことは、弁天の実父はここの主人幸兵衛で、息子宗之助は駄右衛門の息子だった。小さい頃人混みで間違われ別々に育ったのだった。

これからは見せ場の番傘を持って見得を切る「稲勢川勢揃」。菊五郎の「極楽寺屋根立ち腹」と團菊祭ならではの場面が続く。

二、「三升猿曲舞(しかくばしらさるのくせまい)」

小田春永に仕官した此下兵吉(松緑)の槍の腕前をみてやろうと朋輩の奴たちが打って掛かるがなんなくやっけてしまった、、、。長唄舞踊の華やかさをたっぷり楽しめる。