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ハンナのカバン  

劇団銅鑼アトリエ  

銅鑼   

脚本

いずみ凜  

モニ・ヨセフ   

A班 佐藤文雄、庄崎真知子、佐藤亮、谷田川さほ、栗木純、
B班 館野元彦、佐藤響子、植木圭、郡司智子、馬渕真希  

2月22日まで  

03-3937-1101  

3月6日 ミレニアムセンター佐倉、12〜15日 東京芸術劇場小、 22日 牛込箪笥地域センター、27日 三鷹市芸術文化センター、29日 東久留米西部地域センター

この前の大戦で、ユダヤ人がナチス・ドイツに600万人、このうち150万はこどもがホロコースト(大虐殺)で、尊い命が失われた。

「アンネの日記」の主人公・アンネと同じようにわずか13歳で、アイシュビッツの毒ガスで、殺されたハンナ・ブレイディの物語を、劇団銅鑼アトリエ(東武東上線上板橋駅下車10分)で上演されている。

「ハンナのかばん」の上演になったきっかけは、2000年春にアウシュビッツから東京にあるNPO法人ホロコースト教育資料センターに、古ぼけた旅行カバンが届いた。

カバンの表面には白ペンキで「ハンナ・ブレイディ、孤児」とドイツ語で書かれていた。

これに目を止めたセンター代表の石岡史子が「持ち主はどんな子だったのだろう?」というなぜか人を引きつけるカバンの力に魅入られて、ハンナの足跡を探すところから始まった、、、。

              

幕が開く前から案内役でハンナを演じる史子(馬渕真希)のリーディングとドイツの貨物列車(この中にはユダヤ人が乗っている)のかつての実写フイルムが牽引音と共に映し出される。

少し時間が経つと舞台は、ハンナが住むオーストリアのノブ・メストの街で雑貨店を営み、この町でただ一軒のユダヤ人の家庭、父・カレル(館野元彦-私が観た日のキャスト-)、母・マルケータ(郡司智子)、ハンナ(佐藤響子)、兄・ジョージ(植木圭)が、登場してくる。

これまでハンナは、家庭的にも恵まれ、親しい友達も大勢いて、将来は学校の先生になるのを夢見ていた快活な少女だった。

ところが、ハンナが8歳の1939年3月突如ナチス・ドイツが、チェコスロバキアに侵攻して来て、ハンナとその一家が、嵐の中に放り込まれる運命が待っていた。

それからのドイツ軍は、ユダヤ人に映画、劇場への入場禁止、夜8時から翌朝6時まで外出禁止、子供たちの通学禁止など次々と弾圧を強めていった。

41年には母親、続いて父親が逮捕され、もう二度と逢う事も出来なくなった。翌年の42年にはハンナとジョージも、あの悪名高いアウシュビッツへ送られ、44年にはとうとうハンナは、ガス室で殺されてしまった。

ジョージは、収容所に入れられたものの、運よくここから脱出、彼だけ生き延びることができた、、、。

ハンナはアウシュビッツで殺されたが、彼女の遺留品のカバンだけがアウシュビッツ博物館に残された。

なぜナチス・ドイツは、いたいけないこどもたちまでもガス室にいかせたのだろう?かつて日本とドイツは同盟国だったが、こんな残虐行為を戦時中、日本国民には知らされていなかった。

身の毛がよだつ残虐行為を日本人が知ったのは、第二次世界大戦が終結した後の事だ。

ハンナのカバンから理不尽に殺されていった子供たちの涙が伝わってくる。戦争はもう二度とあってはならないのだ。

オーディションで選ばれた俳優が1年掛けて稽古しただけあって、すっから役に溶け、グレードの高い物語に仕上げている。
このドラマを上演するのにあたって、イスラエルから来たモニ・ヨセフが演出をしているが、臨場感にあふれる作品で、多くの人に観てもらいたい。そして平和の尊さも、心にきざみ込んでもらいたい。