目次
演出
訳
作
劇団
出演
劇場
フレディ

恵比寿・エコー劇場

テアトル・エコー 

ロベール・トマ  

上原一子  

安原義人、多田野曜平、川本克彦、松原政義、入江崇史、瀬下和久、 
きっかわ佳代、杉村理加、薬師寺種子、上間幸徳、田中英樹、粟野志門、ほか

10月29日まで
問い合わせ

03-5466-3313   

さあ、困ったカネがない!どうしよう。座長のフレディ。

皆さんも小さい頃サーカスがやってくると空中ブランコ、猛獣使い、曲馬にドキドキし、その間に出て来る顔を塗ったピエロの笑いをとる芸に腹を抱え「酢を飲むからサーカスの人はあんなに身体が曲がるんだ!」なんて信じ、空想をたくましくしたことはありませんか?

この話は、フランスのロベール・トマの作品で、サーカスに働く人たちの泣き、笑いを裏側から見た抱腹絶倒の喜劇。それでは一緒にどうぞ、、、。

               

天才的なクラウン(道化)・フレディ(安原義人)が率いるサーカス一座。舞台はフレディ・サーカスの楽屋。屋外にはテントが張ってあり、小道具や舞台衣裳が掛けられている。

一座はトレーラーで移動するが、この中に座長の楽屋もセットされている。座員は夜の部に備えて準備をしているが、話題はもっぱら一座が破産しそうだということを、、、。そして明日から我々はどうなるんだろうと、そんな話ばかりだ。

こんな会話の間に60歳の座長の相手をする道化の衣裳を着け顔もメイクしたパパ・ジゴ(多田野曜平)が現れる。彼は30年も前にフレディと知り合い、彼に道化の芸を教え、この世界のナンバーワンになったことを誇りに持ち、楽天家だ。

ところで肝心な座長がいない。なぜか?いまやライオンの餌代にも困り、ベルグ男爵夫人の所へカネを借りに行って留守なのだ。

そんな時テントの迷路に迷い込んだ男がいる。彼は裁判所の執行官・ブィッス(松原政義)で、天幕や照明器具などの未払い分18万フランを取りに来たのだ。

続いて「誰かいないかい?」と楽屋に顔をだしたのは司法警察のポリュス警部(入江崇史)。フレディの所在をパパ・ジゴに聞くと「ベルグさんの所に行っています、、、」。「それでは待たせてもらうよ」。「フレディに話があるんだ、、、」。

外が騒がしくなる。我らの団長・フレディックのお帰りだ。カネだ借りられたかどうか心配していた座員一同が詰め寄るとフレディは「俺の完全勝利だ!」。座内中に歓声が上がった。

               

パパ・ジゴが、小切手を頂戴した模様をフレディにせっつくと、ベルグのことを、猿のような顔、ひげまではやし、ワニの目、カバのような胴体、オオカミのような鋭い歯、あれは人間の女じゃない!

無駄な話に相づちをうち、ご機嫌をとりやっとこさ小切手にサインをした「利子は35パーセントよ!」だって、汚い女だ、とっさに絞め殺してやろうかと思ったよ。

みんなが歓声を上げた時、開幕のベルが鳴り、座員はいっせいに引き揚げていった。彼も彼女もみんなニコニコ。

ところがそうは問屋が卸さない。パパ・ジゴと二人になるとフレディはガックリ肩を落として「カネは出来なかった」。みんなに嘘をついた。あいつは1フランも貸してくれなかったー」。

パパ・ジゴが「なぜ?」というと三ヶ月も利子の支払いが遅れている。何度も頭を下げて頼んでもダメ。「サーカスを止めて私のところへ来い」と腐った魚の目で迫ってきた。

そしてフレディを床に押し倒そうとし、それを避けたら夫人は、頭を壁にガツン。必死でドレスを掴んだら、ビリビリ。カンガルーの一家が住んでいそうな腹がボヨヨン。逃げて帰って来たとうつろな目で語った。

悪い事はまだ続く。あのポリュス警部が姿を現わし、フレディに警察手帳を突きつける。「男爵夫人は死んだよ!」

フレディは「夫人を壁にぶつけて殺したと思っているんではないでしょうね?少しは殴りましたが、、、」と言うと?「ピストルで撃たれたんだ,,,眉間を!至近距離で!」。

              

さあそれからはフレディの身辺は急を告げる。ポリュス警部は、殺人犯になれ!すぐ無罪にするから、そうすればマスコミがフレディの「殺人事件」を大きく取り上げ、宣伝になって客が大勢詰めかける。

警部は警部で、殺人犯逮捕で昇進間違いない。また男爵夫人の姪・エヴァ(きっかわ佳代)が、ニューヨークからやって来て「よくおばを殺してくれた。遺産が4500万フランが入ったので10パーセントあげましょう」。

本当にカネに困ったフレディが、カバみたいなドケチのベルグ夫人をズドーンとやったのか、それとも別な人物か?それは恵比寿のエコー劇場へ行かなければ分からない。フレディ役の安原義人が、渾身の演技を見せる。

団員はサーカスの研修所に通った技量を舞台で披露するが、劇場前やロビーでも大サービス。

  

撮影:石川純