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劇場
ブラックコメディ

自由劇場   

四季   

ピーター・シェーファー

倉橋健   

浅利慶太  

荒川努、濱田めぐみ、はにべあゆみ、志村要、岡本隆生、 
栗原英雄、高橋征郎、八重沢真美、勅使瓦武志

10月26日まで   

03-5776-6730 日祝休

観客には舞台が見えるが、出演者は相手が見えない        

撮影:上原タカシ  

幕が開いても舞台は真っ暗。ただ出演者の声が普通の会話として流れてくる。最初は「どうしたんだろう?停電でもしたんだろうか?」と不安が横切る。

しばらく経って今度は、舞台が明るくなってほっとするが、出演している俳優が、まるで歌舞伎の“だんまり”のように、真っ暗な中、お互いに手探りで相手を探す、、、。

ピター・シェーファーが停電を逆手に取った“色”と“欲”をコメディにした傑作で、“二兎”を追うとどうなるか、それが問題だ。

              

所はロンドン。若手彫刻家のブリンズリー(荒川努)が借りている仕事場兼自室のアパート。室内にはよく分からない彫刻の数々、それに旅行中の隣人・ハロルド(栗原英雄)が大事にしている家具や調度品さらに仏像まで彼の部屋から無断で持ち出し、自室を飾り立てている。

彼はフィアンセのキャロル(濱田めぐみ)と、大富豪で美術品の収集家・バンベルガー(勅使瓦武志)が、ブリンズリーの作品に目を付け、買いにきてくれるのでええかっこしいを決め込み、首を長くして待っているのだ。

こんな時にキャロルの父で陸軍大佐のメルケット(私が観た日、志村要)が、娘の結婚相手にブリンズリーがいいかどうか様子を見に来るのだ。

彼としては上手くいけば、金と名声、もう一方では美人の女と、結婚出来る乗るか反るかの大一番を迎えた。

部屋の中もこれみよがしに揃えてブリンズリーとキャロルがほっとした時、突然停電になって部屋が真っ暗になってしまった。マッチもロウソクもなく、懐中電灯さえもない、さあ、弱ったどうしよう、、、。

さらに階上のオールドミス・ファーニヴァル(はにべあゆみ)が停電を怖がって避難して来た。まずい時は重なる。メルケット大佐がやって来るではないか。

入って来るなり真っ暗な部屋にあ然、、自分のライターをつけて、相手を確認するのが精一杯。慌てたブリンズリーが大佐をなだめていると、事態はさらに悪化、旅行から帰ってこないはずのハロルドが旅行を取りやめて帰ってきてしまった。

これだけではすまない。ブリンズリーが4年も関係があり別れた恋人・クレア(八重沢真美)がよりを戻しに、かって知ったるこの部屋に現れた。こんな場合、貴方ならどうする?

ブリンズリーは闇に紛れてそっとハロルドの部屋からぎっちょんちょんしてきた家具を彼の部屋に戻しながら、メルケット大佐のご機嫌をなだめ、クレアを別の部屋に押し上げ、キャロルを言いくるめたり孤軍奮闘。

その間に停電を直しに来た電灯会社のシュパンィッヒ(高橋征郎)を、大富豪のバンベルガーと間違えたりてんやわんやが続く。

ようやっとバンベルガーが遅くなってやっと姿を見せるが、ブリンズリーの大金を得る夢とロマンは果たして実を結ぶのかどうかは劇場へ行かないと分からない、、、。

停電の中で次から次へと起るハプニング。ただ笑ってばかりはいられない。この中に人間の嘘や本当、欲望や裏切り、本来人が持つ“業”が浮き彫りになってくる。

観客には、難しい事なんて考えず、浮き世の憂さを晴らしに闇の中のコメディを堪能してはいかがだろうか、、、。