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Biloxi Blues

パルコ   

パルコ・プロデュース公演

ニール・サイモン  

翻訳

目黒条  

台本

鐘下辰男   

佐藤隆太、忍成修吾、瀬川亮、中村昌也、尾上寛之、
南周平、内田亜希子、西牟田恵・羽場裕一  

2月22日まで  

03-3477-5858   

ニール・サイモンといえばアメリカの喜劇作家の筆頭で、彼の作品を日本の劇団がこれまで数々上演し、すっかりサイモンのシチュエーション・コメデのに虜になった人も多い。

この作品は87年にパルコ劇場で、青井陽治の演出で上演され、評判をとった。今回は「演劇企画集団THE・ガジラ」の主宰者、鐘下辰男が演出を、また若手男優陣の登用でどんなサイモンの自伝劇になるだろうか。

             

舞台は第二次世界大戦中の1943年。ニューヨークやコネチカットから招集された新兵5人が、軍用列車でミシシッピー州・ビロクシー(南部のメキシコ湾に面し、ニューオリンズ東部)の新兵訓練所に5日間かけて運ばれた。

生まれも育ちも違い、ましてや軍隊経験がまるでない若者が、“鬼軍曹”に10週間、コテンパンにしごかれ、一人前?の兵士となって戦場へ送り出されていくのだ、、、。当人たちはそんなことは露知らずに、、、。

それでは、個性的な新兵さんを紹介しよう。作家志望で、毎日同僚や上司の動向を細かく日記に付けているユージン(佐藤隆太)。彼が若き日のユージン・スミス。

読書好きで上司に反抗したり、同輩となかなか打ち解けないエプスタイン(忍成修吾)、ユージンと同じユダヤ系。おっちょこちょいというかお調子者のセルリッジ(瀬川亮)。ポーランド系で、口が悪く乱暴者のウイコウスキー(中村昌也)。歌手を夢をみてよくみんなの前で独唱をするカーニー(尾上寛之)。

運が悪くビロクシーで待ち構えていたのは、彼は戦場で頭を負傷したが、その代わりに勲章を貰いここの指導官になったトゥーミー軍曹(羽場裕一)だ。

彼の命令には絶対服従で、これに従がわなければ、腕立て伏せ100回や便所掃除の地獄のお仕置きが待っている。彼ら5人に同期のヘネシー(南周平)も加わり、泣く子も黙る特訓が始まった。

軍隊での楽しみといえば食事ぐらいなものだろう。どこの国の軍隊食はまずいと相場が決まっているが、ここのはまるで食べられたものではない。それを無理して水で押し込む。食べ残したら最後、便所掃除が義務づけられている。

また訓練がきつい。一晩中蛇やヒルがうごめく沼地をどぶ泥になって歩かされたり。だがけしてあの鬼軍曹は手をゆるめることはしない。なるようにしかならない新兵さんたちは、日ごと軍隊の中に染まっていくがエプスタインだけは、軍隊の流儀に染まらない。

ただ観ていて気が付くことは、アメリカは今年黒人の大統領が選出され、人種差別が薄らいできたが、ここでは仲間内でも、人種問題や差別で、トラブルが起こる。

訓練に明け暮れする毎日だったが、ようやっと休暇がでた。女っ気が無く若い兵隊が考えることは、少しでも早く、あいまい屋に行って女を抱くことだ。

ユージンはさも女を知っているように振る舞うが、じつは女の経験はゼロ。娼婦のロウィーナ(西牟田惠)の胸に飛込んで一人前の男の仲間入りする。

そしてユージンは、地元のダンスパーティーで可愛らしいデイジー(内田亜希子)と知り合い、愛が芽生えたが、、、。

極限の訓練を絶えた若きGIたちは、ここで未曾有の体験をし、友情をはぐくみやがてヨーロッパ戦線に送り込まれる、、、。

サイモンの軽快な喜劇を見慣れた観客には異質なコメディーだが、若い佐藤隆太、忍成修吾、中村昌也らの熱演ぶりが、観客を沸かせる。また羽場裕一の“鬼軍曹”がいなければこのドラマは成り立たない。

演出の鐘下辰男はこれまで、重くずしんとした作品が多かったが、今回のはがらりと違ったコメディーへの挑戦は、高く印象に残る作品となった。

2月25日、倉敷市芸文館ホール、27日、福岡国際会議場メインホール、3月1日、新潟市民文化会館
4日、仙台市民会館大ホール、7〜8日、シアターBRAVA!(大阪)、10日、愛知県勤労会館