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劇場
阿片と拳銃

紀伊國屋ホール   

M.0.P

マキノノゾミ  

キムラ緑子、三上市朗、小市慢太郎、林英世、酒井高陽、木下政治、  
奥田達士、勝平ともこ、白木三保、岡森諦、片岡正二郎、関戸博一、ほか  

8月18日まで

人気劇作家で演出家のマキノノゾミが主宰する劇団M.O.Pは、1984年に旗揚げしたが、2010年に残念ながらその幕を降ろすことになった。今回は劇団員一同が出演するマキノノゾミ作、演出の「阿片と拳銃」。

              

幕開きは79年、浜松の老人ホーム。ロビーにホームにいる老人、柴田(岡森諦)、佐々岡(酒井高陽)、辻本(奥田達士)、森シゲ子(林英世)、美千代(白木三保)らが、夜の時間を持てあましながら入居しているかつては美人だったろう滝口ヒカル(キムラ緑子)の噂話をしていた。そこへヒカルが顔を出したところから舞台が動きだす。

時は遡って1939年、日中戦争が拡大、各国が暗闘する上海の大きなアパートの一室。ここの主人・森山良文(小市慢太郎)はやたらに羽振りがいいが、どうやら日本軍部と手を握り“裏の世界”を泳いでいる男だ。妻はヒカルという美女だ。

ここへ東京から滝口新吉(三上市朗)が訪ねて来て三人が揃った。三人の出会いは1931年に、東京でヤクザに絡まれていたヒカルを二人が助けようとして乱闘。誤解のあげくに三人ともブタ箱に放り込まれ、それから三人は仲良くなり、守山とヒカルは結婚、上海に来ていた。

新吉は内地で共産主義の同調者として官憲に目を付けられ、職を求めて日本の力の及ばない国際都市上海へ来た。当時日本人は、上海へはパスポートなしでも渡航出来たと言われた憧れの都市だったが、裏へ回れば命の保証はないとも呼ばれた。

79年、京都の撮影所。新吉は戦後映画監督になり大作を撮ろうとしたが、制作費が底を突き破産一歩寸前までに追い込まれて、ガンも進行していた。

新吉が映画の世界に入ったのは当時上海にいた大杉事件で、名前が知れていた甘粕正彦(奥田達士)が、満映の責任者になり国威発揚を目指していたからで、その彼に誘われ映画の世界に入った。

上海では守山は、腹心の尹徳民(実は蒋介石軍のスパイ)・(木下政治)に裏切られ拳銃を撃ち込まれた。また、守山の死後?ヒカルは新吉と一緒になって洋平(関戸博一)をもうけ、59年京都で、洋平は父親の映画会社を手助けをしていた。

時代はまた進み浜松の老人ホーム。酒が手ばせなくなったヒカルの所へ老人が面会に来た。その男は死んだとばかり思われ、激動の上海に君臨したあの守山良文だった、、、。その前に新吉はガンで亡くなっていた。

そしてヒカルに守山はもう一度「一緒に暮らさないか、、、」と誘うのだったが、、、。

若い頃義侠心から、一人の女を助けようとして警察の留置所へ放り込まれたのが縁となって戦中、戦後の数奇な運命をたどった一人の女と二人の男を時代を交錯させて描いた作品だ。

特に上海では、阿片の匂いと拳銃の撃ち合いが、雰囲気をたっぷり盛り上げている。

キムラ緑子、三上市朗、小市慢太郎のトリオと脇を締めるM・O・Pのメンバーの熱演が見ものだ。

8月20日 北とぴあ・さくらホール  

コマンドエヌ 03−3366−6786